伎楽面のX線CT報告を楽しもう!(後編)
幻の芸能と呼ばれる伎楽に用いられた仮面のなかで、現存最古の遺品である法隆寺献納宝物の伎楽面(ぎがくめん)。このほど実施したX線CT調査の報告書『法隆寺献納宝物特別調査概報 43 伎楽面X線断層(CT)調査』(以下、報告書)について、前回の1089ブログ「伎楽面のX線CT調査報告を楽しもう!(前編)」でお伝えしました。...
View Article特別展「法然と極楽浄土」その2 法然寺の仏涅槃群像
開催中の特別展「法然と極楽浄土」(6月9日(日)まで)で彫刻作品の担当をしています研究員の浅見です。私からは本展覧会で唯一写真撮影可能な作品であり、様々なグッズ化もされて大変話題の香川・法然寺所蔵の仏涅槃群像(82軀のうち26軀を展示中)について紹介します。第4章「江戸時代の浄土宗」 仏涅槃群像 26軀(82軀のうち) 江戸時代・17世紀 香川・法然寺蔵...
View Articleはにわにも色がある!
挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」(2024年10月16日(水)~12月8日(日)、平成館 特別展示室)。「埴輪の展覧会なんて、展示室がみんな茶色くなっちゃうんじゃないですか?」――そんな声が聞こえてきそうです。でも、目を凝らしてよく見てください。何かが見えてきませんか?この埴輪、なんだか赤みの強い部分があるような…。埴輪 杯を捧げる女子群馬県高崎市 上芝古墳出土 古墳時代・6世紀...
View Articleシアトル美術館の「兄弟埴輪」をたずねて
シアトル雨がよく似合う。約9時間のフライトの後、霧雨煙るタコマ国際空港に私が降り立ったのは、2024年2月21日2時半過ぎのことだった。晴れていれば雪を頂いたマウント・レーニア(タコマ富士)が拝めるはずだったが、陰鬱な冬空が広がっているばかり。しかも、入国審査は長蛇の列だ。「渡航目的は?」「旅行です。」ところが、これで済まなかった。どこに泊まるのか、米国内に友人はいるのか、はてはお土産には何を持って...
View Article仏像を特別な存在にするために
極楽にいる仏、あるいは極楽から迎えに来てくれる仏…。阿弥陀如来は苦しい現実に生きる人々を救う存在として、日本でも各地で信仰されました。ただし、仏そのものに会えるとしたら奇跡や臨終の時と考えられていたため、そのかわりとなる仏像や仏画が造られてきました。一方で、「仏作って魂入れず」ということばがありますが、仏像が仏そのものではなく木や金属でできたモノであることはわかっているため、入れ物である仏像に仏の魂...
View Article特別展「法然と極楽浄土」 10万人突破!
まもなく閉幕を迎える特別展「法然と極楽浄土」(6月9日(日)まで)は、来場者10万人を突破しました。これを記念し6月5日(水)午前に、静岡県浜松市からお越しの新美...
View Article特別展「法然と極楽浄土」その3 福島浜通りと「法然と極楽浄土」
特別展「法然と極楽浄土」(6月9日(日)まで)の主担当を務めました研究員の瀬谷愛(絵画担当)です。何年もかけて準備してきましたこの展覧会も、東京国立博物館での会期は残りわずかとなりました。この後は、京都国立博物館、九州国立博物館へと巡回しますが、目黒・祐天寺のご本尊「祐天上人坐像」など、東京会場にしか出品されない作品もありますので、ぜひあきらめずに!...
View Article特集「親と子のギャラリー よりそう動物たち」みどころ(1)三館園連携企画と特別講演会(5月19日)レポート
こんにちは。教育講座室の横山です。現在、本館2階特別2室では、特集「親と子のギャラリー よりそう動物たち ―家族、仲間のすがたとかたち―」(6月16日(日)まで )を開催しています。特集「親と子のギャラリー よりそう動物たち...
View Article特集「親と子のギャラリー よりそう動物たち」みどころ(2) 担当室員が選ぶ、おすすめ作品
こんにちは。教育講座室の横山です。 6月16日(日)まで、特集「親と子のギャラリー よりそう動物たち ―家族、仲間のすがたとかたち―」(本館2階特別2室)を開催しています。特集「親と子のギャラリー よりそう動物たち ―家族、仲間のすがたとかたち―」の展示風景前回のブログ(特集「親と子のギャラリー...
View Articleわたしのカミは左利き?
「十年一昔」といいますから「二昔」前のことですが、「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」として、奈良県の吉野・大峯(おおみね)、和歌山県の熊野及び高野山を中心とする地域が、平成16年(2004年)に世界文化遺産に登録されました。アテネでオリンピックが開催され、樋口一葉、野口英世のお札が登場し、微笑(ほほえ)みの貴公子・ヨン様が日本を席巻した年です。私は初任地である奈良国立博物館にこの年に採用され...
View Articleいつもと違う展示
「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」はいつもの東博の展覧会とは少し雰囲気が違います。考古作品を大胆にトリミングしたポスタービジュアル、解説のない展示室、自然光を取り込んで刻々と変化する光など、普段の東博の展示とは違ったアプローチで、鑑賞者がモノや空間と繊細に向かい合わざるを得ないような展示になっています。 自然光で撮影された写真を大胆にトリミングしたポスター重要文化財 足形付土製品(部分)...
View Article橋本コレクション受贈記念 明代宮廷絵画と浙派
東洋館8室では、「橋本コレクション受贈記念 明代宮廷絵画と浙派」が始まりました(2024年7月17日(水)~8月18日(日))。橋本コレクションは、橋本末吉氏(はしもとすえよし、1902~91)の収集した、世界的に有名な中国絵画コレクションです。...
View Article写実を超えたリアルさを求めてー人形作家・平田郷陽
生人形をご存じでしょうか。「生」を「なま」と読む方も多いのですが、「いきにんぎょう」と呼びます。「活人形」と書かれることもあり、つまり「生きているように見える人形」のことです。幕末には、見世物興行の1つとして人気を博し、等身大の人形を制作して、いかに生身の人間に見えるかを技の見せどころとしました。浅草で初めて生人形の見世物興行を開催した松本喜三郎(まつもときさぶろう、1825~1891)や、安本亀八...
View Article密教の仏たちに包まれる―高雄曼荼羅の世界―
連日の酷暑のなか、 創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」にお越しくださり、まことにありがとうございます。夏バテ気味の体に、密教の仏のパワーを感じるのはいかがでしょう?今回は現存最古の両界曼荼羅である国宝の「高雄曼荼羅」についてご紹介します。国宝 両界曼荼羅(高雄曼荼羅)(りょうかいまんだら、たかおまんだら)の展示風景平安時代・9世紀 京都・神護寺蔵...
View Article踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト 「見返り美人図」修理報告2
当館を代表する名品「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」を、皆様からの寄附で未来につなぐ「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」。いただいたご寄附で修理が進む様子をシリーズでお知らせしています。昨年度末で「埴輪 踊る人々」の修理が完了し、現在は「見返り美人図」の修理が進められています。 1089ブログ「踊る埴輪&見返り美人...
View Article特別展「神護寺」後期展示が開幕!
早いもので本日(8月14日)から、創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」の後期展示が始まりました!第2会場入り口絵画と書跡はおおよそ展示替えを行いました。後期の見どころをご紹介します。こちらの神護寺展作品リストとともにご覧ください。まずは作品No23.国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」です。国宝...
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