博物館で秋草さがし・・・
秋になると、当館の正面玄関前で、紫と白の萩の花がお客様をお迎えします。正面玄関前に咲く萩(2023年10月5日現在)この萩は「秋の七草」の1つです。春の七草ほど知られていないかもしれませんが、じつは万葉歌人である山上憶良が和歌で詠った奈良時代から、日本人は秋草を愛好してきました。春の七草は食べられますが、秋の七草は食べることはできません。その代わり、その花を楽しんできました。なんとも風流ですね。ただ...
View Articleパーティーで輝く、新羅の「透彫冠帽」
東洋館で開催中の「博物館でアジアの旅」。今年は「アジアのパーティー」をテーマとした作品を展示している中から、今回は、東洋館10室で展示中の重要文化財「透彫冠帽(すかしぼりかんぼう)」についてご紹介します。東洋館10室の展示風景...
View Article和鏡(わきょう)への道のり
現在、平成館企画展示室では特集「羽黒鏡―霊山に奉納された和鏡の美」(2023年11月19日まで)を開催しております。同じような大きさの円い鏡ばかりが並んでおりますが、そのみどころについて、1089ブログで2回に分けてご紹介したいと思います。特集「羽黒鏡―霊山に奉納された和鏡の美」展示会場...
View Article連歌懐紙とやまと絵
特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」(10月11日(水)~12月3日(日))では、現在、四大絵巻を一同に展示していますが、ご覧いただけたでしょうか。本展では、書の料紙装飾も「やまと絵」と比較しながらご紹介しています。室町時代・15世紀以降になると、連歌懐紙の料紙下絵が華やかに描かれるようになりました。法楽歌仙連歌懐紙 初折室町時代 応永30年(1423)...
View Article日本彫刻史の闇に光を射す
特別展「京都・南山城の仏像」。展覧会タイトルを見た人の「なんざんじょう?…」という反応が目に浮かびます。山城は京都の古い呼び方、南はその南部。それでもピンとこないであろうから、「京都」をつけて、京都にかかわる仏像の展覧会であることがわかるようにしました。南山城(みなみやましろ)は聞きなれませんが、そこにある浄瑠璃寺や岩船寺はよく知られたお寺です。海住山寺の十一面観音菩薩立像は美術全集に掲載されます。...
View Article和鏡の文様を愉しむ
1089ブログ「和鏡への道のり」では和鏡の成り立ちと特色についてお話しさせていただきました。今回は、和鏡の文様についてもう少し詳しくご紹介いたします。 特集「羽黒鏡―霊山に奉納された和鏡の美」平成館企画展示室にて2023年11月19日(日)...
View Articleやまと絵展 「本物」を見るということ
現在開催中の特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」。多くのお客様にお越しいただいています。展示されている作品はどれもこれも超有名作品ばかり。貸出をお許し下さったご所蔵者の皆様に改めて御礼申し上げます。さて、お客様からは「教科書で見たことがあるけれど、「本物」を初めて見た」といったお声を多くいただいています。ですが、教科書や本で見るのと「本物」を見るのは大違い。ここでは、教科書や本などで見た印象が...
View Article近世やまと絵を楽しむ
「近世のやまと絵」と聞いた時、どのような作品が思い浮かぶでしょうか?「あれ、やまと絵といえば、平安時代のきらびやかな作品なのでは?」と思われる方も多いのではないかと思います。しかしやまと絵は、日本絵画を代表するジャンルの一つとして、近世、江戸時代になっても輝きを放ち続けていました。現在、平成館で開催中の特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」に合わせ、本館7室、8-2室、特別2室で開催している特集...
View Article「柿本宮曼荼羅」の秘密
特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」では仏画も展示されています。やまと絵と仏画はつながりがなさそうですが、平安時代から鎌倉時代の初めころには、やまと絵を描いていた宮廷絵師と、仏画を描く絵仏師が、天皇が企画した絵画制作プロジェクトに一緒に参加していたことが記録に残されていて、互いの持つ技術を披露し合いながら絵を描いていたことが推測されます。その成果の一つが仏画に見られる自然景で、やまと絵の自然景...
View Article国宝「源氏物語絵巻 夕霧」にみる人間模様
「やまと絵」という言葉は、平安時代のなかばから使われており、古くは一条天皇の後宮に藤原彰子(ふじわらのしょうし)が入内(じゅだい)する際にやまと絵の屛風を用意したという記録があります。彰子は、藤原道長(みちなが)の娘であり、紫式部(むらさきしきぶ)が仕えた女主人として知られています。重要文化財 紫式部日記絵巻断簡(むらさきしきぶにっきえまきだんかん)(部分)鎌倉時代・13世紀...
View Article中国書画精華―日本におけるコレクションの歴史
東洋館8室では、特集「中国書画精華―日本におけるコレクションの歴史」が開催中(後期展示:2023年11月28日(火)~2023年12月24日(日))です。「中国書画精華」は、東京国立博物館でおこなっている毎年秋恒例の中国書画名品展です。今年は日本におけるコレクションの歴史を切り口に、「古渡(こわた)り」「中渡(なかわた)り」「新渡(しんわた)り」といった観点から作品を紹介しています。東洋館8室...
View Article東博ボランティアデー、盛会のうちに終了しました!
コロナ禍の中断を経て昨年再開したボランティアデー、今年は12月2日(土)・3日(日)に行われました。ボランティア募集説明会と活動紹介ツアー、そして、ボランティア自主グループによる様々なガイドツアーやスライドトークを、この2日間に凝縮して実施しました。来年度の東京国立博物館ボランティア(以下、トーハクボランティア)募集中のため、ボランティアの活動に興味のある方々にたくさんご参加いただきました。トーハク...
View Article2023年をふりかえるほ!
ベンチに座るトーハクくんとユリノキちゃん ほほーい、ぼくトーハクくん! 2023年もおわりだほ。外のベンチはすこし寒いほ。 こんにちは、ユリノキちゃんです。皆さんはどんな年の瀬を過ごしていますか? ぼくたちとのんびりトーハクの1年をふりかえるほ!今年もおつきあいくださいね。 年末からつづいて、「150年後の国宝展―ワタシの宝物、ミライの国宝」を開催したほ!...
View Article2024年新年のごあいさつ
つつしんで新春のお慶びを申し上げます。皆様にとって幸多い年となりますようお祈り申し上げます。昨年1月に、「このままでは国宝を守れない」と題し、雑誌に寄稿しました。そこでは、令和2年に、新型感染症に対する感染拡大防止が叫ばれ、博物館の臨時休館、来館者数の激減、入館料等の大幅な収入減や光熱費の高騰など、博物館を取り巻く環境が一層厳しさを増しており、国民共有の財産を守り伝えることに危険が生じていることをお...
View Article皆金色の極楽浄土! 建立900年 特別展「中尊寺金色堂」が開幕します
明日1月23日(火)から、本館特別5室で、建立900年 特別展「中尊寺金色堂」が始まります。 建立900年 特別展「中尊寺金色堂」会場入口 今年2024年に上棟(じょうとう)から900年を迎える中尊寺金色堂。これを記念して開催する本展では、中央の須弥壇(しゅみだん)に安置された11体の国宝の仏像や、きらびやかな荘厳具(しょうごんぐ)の数々を通じて、金色堂の魅力をお伝えします。 音声ガイド案内...
View Article踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト 「埴輪 踊る人々」修理報告 3
当館を代表する名品「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」を、皆様からの寄附で未来につなぐ「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」。いただいたご寄附で修理が進む様子をシリーズでお知らせして参ります。 3回目も「埴輪 踊る人々」修理作業の様子をご紹介します。今回は「補修」のお話。前回のブログ「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト 「埴輪 踊る人々」修理報告...
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