奈良時代の息吹を感じる大安寺の仏像
本館11室の展示風景(入口付近)本館11室では特別企画「大安寺の仏像」が開催中です。奈良・大安寺は日本で最初の国立寺院です。飛鳥時代の藤原京に壮大な伽藍を構えた大官大寺(だいかんだいじ)を前身とし、奈良時代の平城京移転後には、インド、ベトナム、中国などから来日した僧侶や、中国へ留学して帰国した日本人僧侶が住む国際色豊かな環境で、仏教研究の拠点として営まれました。まさに日本仏教の源流ともいうべき歴史あ...
View Article「王羲之と蘭亭序」その1 道は違えど蘭亭愛-趙孟頫と趙孟堅-
台東区立書道博物館の中村です。毎年恒例となっている東京国立博物館(以下「東博」/会場=東洋館8室)と台東区立書道博物館(以下「書道博」)の連携企画は、今年で20回目を数えます。現在開催中の「王羲之と蘭亭序」(前期=~3月12日(日)、後期=3月14日(火)~4月23日(日))では、20周年の節目を記念して、連携企画初回でも取り上げた王羲之(おうぎし)と蘭亭序(らんていじょ)に焦点をあてるとともに、後...
View Article「王羲之と蘭亭序」その2 蘭亭雅集の様子を想像してみよう!
東京国立博物館(以下「トーハク」)の植松瑞希です。東洋館8室で開催している東京国立博物館と台東区立書道博物館(以下「書道博」)の連携企画「王羲之と蘭亭序」は後期に入りました(~4月23日(日))。「王羲之と蘭亭序」の世界をより深く楽しんでいただくため、本展に関わったトーハクと書道博の研究員で、リレー形式により1089ブログを更新しています。さて、トップバッターの中村信宏さんに続き、わたしからは、王羲...
View Article「王羲之と蘭亭序」その3 『世説新語』のヒ・ミ・ツ
台東区立書道博物館(以下「書道博」)の鍋島稲子です。東京国立博物館(以下「東博」)と書道博の両館で開催中の連携企画「王羲之と蘭亭序」は、早くも残すところ約1ヶ月となりました。東博の植松瑞希さんから流れてきた觴(さかずき)が、目の前を通り過ぎる前にブログを書かないと、罰として大きな觴に三杯の酒を飲まされるかもしれない、ハラハラ&ドキドキリレーの1089ブログ!わたしからは、今回展示の作品中、国宝に指定...
View Article「王羲之と蘭亭序」その4 曲水の宴 パリピの系譜
永和9年(353)3月3日、王羲之が風光明媚な蘭亭に名士41人を招いて開催した曲水の宴は、北宋時代の李公麟(りこうりん)が描いた蘭亭図に基づいて、蘭亭序にまつわる諸資料を加えた蘭亭図巻が作られました。1780年、清の乾隆帝(けんりゅうてい)が明時代の拓本に拠って作らせた蘭亭図巻には、11人が2篇の詩を、15人が1篇の詩を賦し、16人は詩を賦さず、罰として大きな杯に3杯の酒を飲まされた、と注記していま...
View Article特別展「東福寺」 その魅力をチラシから紐解きます
開幕から約40日、特別展「東福寺」はいよいよ会期大詰めです。多くの雑誌やテレビ番組でも紹介されている圧巻の展覧会。 1089ブログでは、すでに展覧会にお越しいただいた方にはうなずきながら、 まだご覧いただいていない方には身を乗り出して読んでいただけるよう、今後本展に携わった各分野の研究員たちがこの展覧会の知られざるみどころを直接お伝えします。 特別展「東福寺」(東京会場)チラシ表面...
View Article特別展「東福寺」その1 忘れられたスーパー絵仏師・明兆の逆襲
こんにちは、現在開催中の特別展「東福寺」を担当しました研究員の高橋真作です。この展覧会では南北朝時代から室町時代に活躍した伝説の絵仏師・吉山明兆(きっさんみんちょう・1352~1431)に焦点を当てています。東福寺内で仏堂の荘厳などを行う殿司(でんす)を務めたことから「兆殿司(ちょうでんす)」とも通称され、巨大な伽藍に相応しい巨幅や連幅を数多く手がけました。明兆自画像模本 住吉広行筆...
View Article特別展「東福寺」その2 東福寺本尊 今昔物語
東京会場では残すところ会期もあと10日ほどとなった、特別展「東福寺」。第5章「巨大伽藍と仏教彫刻」では東福寺拝観の最大のみどころ、通天橋(つうてんきょう)からの紅葉の眺めを再現しています。その再現コーナーを通り抜けて間もなく、視界が一気に開けて大きな仏像群が視界に飛び込んできます。第5章「巨大伽藍と仏教彫刻」彫刻展示風景写真こちらに見えている仏像のうち、釈迦如来立像(原寸大写真バナー)・迦葉(かしょ...
View Article特別展「東福寺」その3 阿吽の呼吸で梱包作業 巨像展示の舞台裏
東京国立博物館・彫刻担当研究員の児島大輔です。特別展「東福寺」は会期もいよいよ大詰めとなってきました。リレー形式で東福寺展をご紹介している1089ブログ。今回は展覧会の舞台裏へご案内いたしましょう。前回のブログ(特別展「東福寺」その2 東福寺本尊...
View Article踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト 「埴輪 踊る人々」修理報告 1
東京国立博物館は、創立150年記念事業の一環として、館を代表する名品「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」の文化財修理にかかわる費用を個人や企業から寄附を募るファンドレイジング事業、「踊る埴輪&見返り美人...
View Article特別展「東福寺」その4 素晴らしき書の宝庫
書跡担当研究員の六人部克典です。特別展「東福寺」は閉幕まであと約1週間(~5月7日(日))、本展をご紹介するリレーブログも予告編含め5本目となりました。前回までは絵画・彫刻の展示作品を中心に、その魅力や展覧会の舞台裏をお伝えしてきました。「何か足りない…」と思われた書跡愛好者の皆さま、ご安心ください。本展では数々の魅力的な書が展示されています。日中の名だたる禅僧の書(墨跡)をはじめ、東福寺開山・円爾...
View Article特別展「東福寺」その5 やっぱり東福寺は「ラスボス」だった!
特別展「東福寺」も5月7日(日)までと残すところあとわずか。いよいよ閉幕までのカウントダウンとなりました。本展をご紹介するリレーブログも今回で最終回。ここでは最後に、展覧会担当者として感じたことや気づいたことなどを総括してみたいと思います。 重要文化財 東福寺伽藍図 了庵桂悟賛室町時代・永正2年(1505)...
View Article特集「尾・しっぽ」みどころ(1) 三館園のコラボ展示! 裏側ストーリー
こんにちは。教育講座室の横山です。現在、平成館企画展示室では特集展示「親と子のギャラリー 尾・しっぽ」を開催中です(2023年6月4日まで)。平成館企画展示室入口の様子なかを覗くと、東博の作品と一緒に、ちょっと珍しい展示品が…え? これは何?動物実物標本(ヤマアラシの尾、棘) 恩賜上野動物園蔵動物実物標本(キリンの尾、キツネの尾、ヤマアラシの尾)」 恩賜上野動物園蔵きゃ!...
View Article特集「親と子のギャラリー 尾・しっぽ」みどころ(2) 担当室員が選ぶおすすめ作品
現在開催中の特集「親と子のギャラリー 尾・しっぽ」(平成館企画展室にて2023年6月4日まで)について、前回のブログ「特集『親と子のギャラリー 尾・しっぽ』みどころ(1) 三館園のコラボ展示!...
View Article踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト 「埴輪 踊る人々」修理報告 2
当館を代表する名品「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」を、皆様からの寄附で未来につなぐ「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」。いただいたご寄附で修理が進む様子をシリーズでお知らせして参ります。第2回目の今回は修理が進む埴輪 踊る人々について、修理に伴う解体作業の様子をご紹介します。あれ?...
View Article特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」に行ってきたほ!
ほほーい!ぼく、トーハクくん。特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」にやってきたほ。 この展覧会は日時指定不要。だけど正門チケット売場は混雑することがあるから、事前にオンラインで当日券を買っておいたわ。 さすが準備がいいほ。スムーズに入館だほ。 会場入口。全作品写真撮影OKです。...
View Article古代メキシコのマスク
【はじめに】特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」を担当している考古室長の井出浩正です。本展も残すところひと月程となりました。皆さまご覧になられましたでしょうか。...
View Article「台東区立書道博物館・東京国立博物館 連携企画」毎日書道顕彰特別賞受賞と20年の歩み
令和5年(2023)6月12日、台東区立書道博物館と東京国立博物館は、毎日書道会より第36回毎日書道顕彰特別賞を受賞し、7月23日の表彰式において両館に賞状が授与されました。表彰式の様子左から富田淳(東京国立博物館副館長)、藤原誠(東京国立博物館長)、山中翠谷氏(毎日書道会総務、独立書人団常務理事)、丸山昌宏氏(毎日書道会理事長)、服部征夫氏(台東区長)、荒井伸子氏(台東区立書道博物館長)、鍋島稲子...
View Article特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」20万人達成!
特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」(6月16日(金)~9月3日(日))は、8月12日(土)午後、来場者20万人を突破しました。多くのお客様に足をお運びいただきましたこと、心より御礼申し上げます。これを記念し、12日、千葉県印西市からお越しの加納さんご家族に、当館館長藤原誠より記念品を贈呈いたしました。 記念品贈呈の様子。左から2番目、館長の藤原誠...
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