「陶磁」と「染織」について
特別展「工藝2020ー自然と美のかたちー」では様々な工芸分野の作品が出展されています。今回はその分野の中から「陶磁」と「染織」についてご紹介し、あわせて展示作品もピックアップしてご紹介します。陶磁は、陶土や陶石を主原料とする土器や陶器、磁器などの総称です。ろくろによる成型やひもづくり(その名のとおり、土をひも状にして積み上げて成型する方法)、型を用いる成型など、形をつくる上でもその手法は様々です。陶...
View Article特別展「桃山―天下人の100年」、鑑賞のポイント
10月6日(火)、特別展「桃山―天下人の100年」がオープンいたしました!本展覧会は、室町時代末から江戸時代初期にかけての激動の100年に日本人の美意識がどのように移り変わったのかを、安土桃山時代を中心にご覧いただく展覧会です。おそらく同テーマを扱った展覧会では過去最大規模なのではないかと思います。事前予約制のため、ご観覧の皆様には大変お手数をおかけしております。その分、お越しいただいた甲斐があった...
View Article金色に輝く月と柏葉ー漆作品について
表慶館で開催中の特別展「工藝2020−自然と美のかたち−」では、日本の現代工芸作家が近年に制作した82件の作品を展示しています。工芸には陶芸、漆芸、金工、染織、木竹工、人形、ガラスなど様々な分野がありますが、自然由来の素材を使い、古くから伝えられてきたわざを用いながら、作家たちは個々の創造性を生かして現代を表現する作品を制作しています。本展は工芸の諸分野を網羅していますが、今回は展示作品から二つの作...
View Article歴史を織りなす、桃山美術の華麗な工芸品
10月6日(火)より開幕しました、特別展「桃山―天下人の100年」。前回の絵画担当の金井の記事を受け、今回は刀剣と甲冑を担当した酒井が続きます。おそらく「桃山美術」は日本の文化のなかでもとりわけ人気があるものでしょう。豪華な屛風や個性豊かな甲冑、異国の文化も取り入れた南蛮美術、あるいは千利休や古田織部による茶湯道具。いずれも具体的なイメージがすぐに浮かぶのではないのでしょうか。しかし「桃山美術はこう...
View Article比べて、並べて!「洛中洛外図屛風」のみどころ(絵画編)
前々回のブログに続いて、特別展「桃山-天下人の100年」に関連するお話を。▼100年間の表現の変化を追う本展覧会では、同じ時代の作品を横並びに見るだけではなく、前後の時代とも比べていただくことで、それぞれの特徴を感じていただけるのではないかと考え、同じ主題や素材を使った室町時代、安土桃山時代、江戸時代のものを並べるというコーナーをいくつか作りました。絵画ですと、洛中洛外図、源氏物語図、韃靼人狩猟図な...
View Article茶の湯のやきものを通して「桃山」に開眼!
前回の打刀のお話につづきまして、やきもの担当の三笠より特別展「桃山-天下人の100年」の茶陶の見どころについてお話しいたします。さまざまな分野から「桃山」に迫ったこの展覧会。私もとても楽しみにしていた作品がたくさんあります。たとえば「洛中洛外図屛風」の名品群。京都市中の景観と風俗を描いた図を楽しむには、まず天下人になった気持ちで俯瞰する眼と、虫メガネで見るような超微視的な眼、二種類の視点が必要なのだ...
View Article2021年 新年のご挨拶
新年、あけましておめでとうございます。新しい年を無事迎えられましたことをお祝い申し上げますとともに、新型感染症に苦しんでおられる方々に心よりお見舞い申し上げます。当館は今年も2日から開館いたします。入館には事前予約が必要で、感染症予防対策もしっかり行い、皆なさまをお迎えいたします。新春恒例の干支をテーマにした特集展示は「ウシにひかれてトーハクまいり」です。人の傍らでさまざまな営みを支えてきた牛にまつ...
View Article特別展「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」を紹介するほ!
2020年12月24日(木)から特別展「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」を開催しています。トーハクくんとユリノキちゃんが会場の様子を紹介します。ほほーい、ぼくトーハクくん!...
View Articleその憧れは、美味しさでなく
こんにちは、日本工芸を担当する福島といいます。近所のパン屋さんで、干支の関連商品として牛のパイが売られていました。ミートパイがおいしい店なので期待して食べたら、牛の形をしているだけで肉が入っていなかった。残念ではありますが、これは干支の縁起物にもかかわらず、あさましくもその肉が入っていることを期待した私の方に非があったのかも知れません。年賀状にかわいい牛の姿を描きつつ、「さあ、こいつの肉を食うか」と...
View Articleひろがるネットワーク 米欧ミュージアム日本美術専門家交流事業(2020年開催の報告)
当館では毎年、米欧の研究者を招いて「北米・欧州ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業」を行っております。そのプログラムの中で、当館を会場にして国際シンポジウムを開催していますが、1月30日(土)の今年の国際シンポジウム「日本美術がつなぐ博物館コミュニティー:ウィズ/ポスト・コロナ時代の挑戦」はリモートで行い、その様子をライブ配信することにいたしました。ライブ配信はどなたでもご視聴できます。ミュージ...
View Articleギュウギュウな展示を解説しちゃウシ
こんにちは。研究員の高橋です。特集「博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり」も、残すところあと数日。展示はモーご覧になりましたでしょうか?牛水滴 渡辺近江大掾正次作 江戸時代・17世紀じつはこの特集、いたるところにさまざまな小ネタが仕込まれています。例えば、次の章立てタイトルをよく見てみてください。何か気づきませんか?第1章 牛にまつわる信仰史第2章 牛と共同した暮らし第3章...
View Article「まるごと体験!日本の文化」開催中!
本館特別4室にて開催中の、親と子のギャラリー「まるごと体験!日本の文化」。本展では、東京国立博物館のコレクションのうち「浮世絵」「うるし」「きもの」「よろい」をテーマとした4つのコーナーからなる体験型展示をお楽しみいただけます。大人も子どもも楽しめる会場の様子を一部ご紹介します。※会場内では消毒等、新型コロナウイルス感染予防対策を徹底して行っています。※本展はデジタルコンテンツや複製品を用いた体験型...
View Article清朝書画コレクションの諸相 その1
東洋書跡を担当する六人部と申します。トーハク(会場:東洋館8室)と台東区立書道博物館(書博)で毎年開催している恒例の連携企画は、現在の「清朝書画コレクションの諸相」(前期:~1月31日(日)、後期:2月2日(火)~2月28日(日))で18回目となりました。今年は、中国書画の清時代におけるコレクションがテーマです。トーハクは「高島槐安収集品を中心に」、書博は「中村不折収集品を中心に」と副題を冠し、中村...
View Article清朝書画コレクションの諸相 その2
東洋絵画を担当する植松です。現在、東洋館8室では、トーハクと台東区立書道博物館の連携企画「清朝書画コレクションの諸相―高島槐安収集品を中心に―」の後期展示(2月2日(火)~2月28日(日))が始まっています。この展示は、高島槐安のコレクションをメインにした企画ではありますが、同時に、高島に至るさまざまな中国絵画コレクターの足跡を紹介したいということで、中国清朝宮廷コレクションのコーナーを設けています...
View Article日本のたてものの「校倉造」
特別展「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」では、文化庁が「模造事業」としてこれまで製作を行ってきた国宝・重要文化財の木造建造物の模型を中心とした展示を通して、古代から近世までの日本建築の成り立ちを紹介しています。模型以外にもパネル展示も行っていますがご覧になりましたでしょうか。パネル展示をしている正倉院正倉模型と唐招提寺宝蔵模型はともに校倉造ですが、今回は校倉造について紹介します。正倉...
View Article「まるごと体験!日本の文化」、後半に突入!
本館特別4室にて開催中の、親と子のギャラリー「まるごと体験!日本の文化」。「浮世絵」「うるし」など東京国立博物館の展示に関連したテーマをとりあげた、大人も子どもも楽しめる、体験型の展示です。※会場内では消毒等、新型コロナウイルス感染予防対策を徹底して行っています。※本展はデジタルコンテンツや複製品を用いた体験型展示です。体験のモチーフとなっている作品は展示していません。「浮世絵」「うるし」と並んで人...
View Article